診療
WEB予約

講演
出演
取材依頼

睡眠時無呼吸症候群

睡眠時無呼吸症候群とは

睡眠時無呼吸症候群とは、睡眠中に気道が閉塞して断続的な無呼吸・低呼吸が生じ、酸素摂取量が低下してしまう症状のことです。睡眠1時間あたりの無呼吸・低呼吸の回数を「無呼吸低呼吸指数(AHI)」といい、AHI:5~15回/時で軽症、15~30回/時で中等症、30回/時以上で重症の睡眠時無呼吸症候群と診断されます。

睡眠中の呼吸で取り込める酸素の量が大幅に減ると、脳が慢性的な酸欠状態に陥ります。すると、脳に酸素を供給しようとする自律神経が休まらず、疲労回復ができなくなるのです。

睡眠時無呼吸症候群は、高血圧症、脳卒中や脳梗塞などの脳血管疾患、狭心症や心筋梗塞などの循環器病や、糖尿病を合併するリスクが高まります。また近年、睡眠時無呼吸症候群は認知機能の低下にも関与すという研究結果も発表されています。

こんな症状ありませんか

睡眠中に…

  • いびきをかく
  • いびきが止まり、再び始まるときには大きな呼吸を伴う
  • 呼吸が止まる、むせる
  • 朝になる前に何度も目覚める、お手洗いに起きる
  • 寝汗をかく

目が覚めた時…

  • 目覚めると口が乾いている
  • 熟睡した感覚がない
  • スッキリ目覚めることができない
  • 朝起きた時に体がだるい、重い

日中の活動中…

  • 強い眠気を感じる
  • 倦怠感やだるさがある
  • 仕事ややるべき事に集中できない
  • 常に疲労感が抜けない
  • 睡眠時無呼吸症候群の
    セルフチェック(ESS)

    Epwouth Sleepiness Scale(ESS)というチェックは、専門医で最初の問診に使われる、日中の眠気を測る代表的なチェック方法です。日中の眠気が気になる方はまずは一度ご自分でお試ししてみてはいかがでしょうか。

    以下の8つの状況での眠気を0点~3点の4段階で評価してください。
    もし、以下の状況になったとしたら、どのくらい「うとうと」する(数秒~数分眠ってしまう)と思いますか。最近の日常生活を思いうかべてお答えください。以下の状況になったことが実際になくても、その状況になればどうなるかを想像してお答え下さい。
    すべての項目にお答えしていただくことが大切です。

    うとうとする可能性は
    0=ほとんどない 1=少しある 2=半々くらい 3=高い

    【問1】すわって何かを読んでいるとき(新聞、雑誌、本、書類など)
    【問2】すわってテレビを見ているとき
    【問3】会議、映画館、劇場などで静かにすわっているとき
    【問4】乗客として1時間続けて自動車に乗っているとき
    【問5】午後に横になって、休息をとっているとき
    【問6】すわって人と話をしているとき
    【問7】昼食をとった後(飲酒なし)、静かにすわっているとき
    【問8】すわって手紙や書類などを書いているとき

    5点未満 日中の眠気は少ない方です。
    5~10点 日中の軽度の眠気があります。
    11点~15点 日中の強い眠気があります。睡眠時無呼吸症候群の可能性があるため、なるべく早く専門医の診断を受けることをおすすめします。
    16点以上 日中の強い眠気があります。睡眠時無呼吸症候群の可能性が高く、速やかに専門医を受診することをおすすめします。

    出典:ESS (Epworth Sleepiness Scale) 日本語版(JESS)

  • ESSの注意点

    • 合計点数が11点以上の場合、治療が必要なレベルと言われています。ただし、11点未満でも慢性的にいびきをかく方、睡眠時に呼吸が止まる方、日中に頻繁に眠気を感じる方も、自覚症状はないのかもしれませんが、睡眠時無呼吸症候群の可能性がありますので注意が必要です。
    • ESSはとても簡単な自己診断方法ですが、簡単であるがゆえに自身の眠気を過小評価し、得点が低くなることが多い傾向があります。そのため、ご家族など客観的に眠気を評価できる方に協力してもらい検査することが望ましいです。
  • 点数が低くても睡眠時無呼吸症候群が疑われるケース

    • いびきが大きい、と指摘された
    • 睡眠時に息が止まっていた、と指摘された
    • 若い頃に比べて太って顔つきが変わったと言われる
    • メタボリックシンドロームと診断された(または疑いがある)

当院で行っている検査

就寝前にご自身で機器を装着していただき、ご自宅で実施していただく検査です。睡眠中の呼吸や心拍数、酸素飽和度などを測定します。睡眠時無呼吸の有無はもちろん、いびきの有無、いびきの呼吸への影響などがわかります。当院で使用している「ウォッチパット」は簡易検査でありながら、自律神経の働きや末梢動脈血流などから覚醒、睡眠段階などの情報を同時にチェックできます。
※健康保険が3割負担の方の場合、自己負担額は2,700円程度です。
※簡易検査を半年以内に他院で実施されている場合は保険適用になりません。

簡易型PSG検査

当院で行っている治療

睡眠時無呼吸症候群(SAS)は、治療可能な病気です。SASの治療には、「CPAP(Continuous Positive Airway Pressure)」という医療機器が用いられます。CPAPは鼻に装着したマスクから、気道の閉塞度合いに合わせた空気圧を送ります。SASの患者さんがCPAP治療を行うことにより、夜間の気道閉塞が解除され、睡眠中の呼吸を安定させることが可能となります。睡眠の安定化は、就寝中の自律神経の安定化にもつながり、慢性疲労を劇的に改善することもわかっています。しかし、保険適用でのCPAP治療が認められているのは、簡易型PSG検査でAHI:40回/時以上、精密検査でAHI:20回/時以上の重度な睡眠時無呼吸症候群の方に限られているのが現状です。

当クリニックは保険診療を中心としておりますが、保険適用に満たない軽度~中等度の睡眠時無呼吸症候群の方やいびきのある方向けに、アルゴリズムを改良した「疲労回復CPAP」を開発し、自由診療にてご提供しております。詳しい内容に関しましては「疲労回復CPAP治療」をご参照ください。​

院長からのアドバイス

検査はご自宅にて実施できるため、入院の必要はありません。さらに高額な入院検査よりもはるかに少ない費用負担で実施可能です。「仕事中に眠気を引きずってしまう」「寝ても疲れが取れない」という方は、ぜひ一度検査してみることをおすすめいたします。